今日は、頑張り屋さんかも知れないあなたと私へのCancer Note。
オーストラリアは、一般的に乳がん摘出手術は翌朝退院です。
(出産もそうですけど、すぐ追い出されます😂)
10日後くらいに、処置をするため再訪するのですが、
何人か居合わせた他の患者さんは処置が済み、
最後の私の処置も終えたところで
担当してくれたナースが私だけを別フロアの小部屋まで連れて行ってくれたんです。
そこには色々な治療やケアに関する情報の冊子があって
乳がんサポートの団体の連絡先など
必要だと思われるものをアレコレ手渡してくれました。
前回シェアした、「子供にどう伝える?」の冊子も
この時にいただいたもの。
その上、部屋の棚にひとつだけあった大きな袋を手に取って
「あなた、ラッキーね!これすごく良い枕のセットの寄附なのよ。」と
術後の腕では抱えきれない高級枕2個とタオルなどのセットを
持って帰るようにと、車まで運んでくれました。
その間
家族のこと、仕事のこと、話を聞いてくれて
最後に名刺を差し出し
「絶対に一人で頑張らないで!いい?わかったわね?」
「話したいことがあったら、連絡してきていいわよ」と。
その病院は、手術専門の施設で
そのナースも今日初めて会って、きっともう会うこともないんです。
だけど、その心遣いと言葉が嬉しかったし
「そうそう、頑張らないがテーマだった」と
まだ数週間しか経っていない告知を受けた直後のことを思い返しました。
私また「頑張るぞーっ」って顔してたんかな?😂
自分でも自覚がある頑張り屋。
特にそれは、仕事で発揮されてきました。
自営業を長年していると
一人でなんとかしようという癖がついてしまって
やって頂くより、やって差し上げる方が心理的に楽なんです。
本当は、迷惑かけずに生きれる人なんて居ないのにね😂
もしかすると
同じように乳がんを告知された方の中にも
ひとりで抱えて、つい頑張っちゃうという方もいらっしゃるかな?
そんな私の今回のチャレンジは
自分から「助けてもらえませんか?」ということでした。
生徒さんや近い友人、家族に伝えた後
いつもの投稿場所で「これからしばらく乳がん治療に入る」ことを伝えました。
ありがたいことに
「サポートするよ」と沢山の方からメッセージを頂き
いつもだったら恐縮して「ありがとう!でも今は大丈夫ですよ。」なんて言ってた場面も
思い切って
「いただきます!ありがとう!!」
「お願いします!」
と、ご厚意を受けとることにしています。
時には
関係性や相手の時間を考えると、そこまでして頂くのは申し訳ない。
と思うこともあるのですが
そう思う拘りや境界線を溶かしていくことで
沢山の愛が周りにあったことに気づかせてもらっています。
自立した在り方は素敵だけれど
それが行きすぎると、時に自分自身を縛り付けることになり
心の境界線を作ってしまう。
それって、自然とはかけ離れた姿だなと思うのです。
サステナブルな生き方に世界がシフトしていこうとしている今
頑張りすぎてきた人たちに「緩んでいいよ」「共生していこう」と
色々な形で調整が来ている時期なんじゃないかな。
と、周囲の方達のお話や、私自身のことを通して
そう感じています。
今は以前より随分頼ることができるようになりました。
病気をしたことで「できる風の自分や」積み上げたものがゼロになるような感覚さえ
悪くないなと思います。
(実際にゼロになることはないので大丈夫です!)
近年稀にみる軽やかで心地よさ!!
「『ありがとう』と言ってもらえて嬉しい。」
「サポートさせてくれて、ありがとう。」
「活躍する機会をくれて、ありがとう。」
と言ってくれる友人の言葉を聞いて
ハッとしました。
私は今まで沢山の「ありがとう」を頂いてきたけど
それは、受け取ってくれる「あなた」がいたから。
独りで頑張るって
「ありがとう」の循環を独り占めしてることで
誰かの活躍の場をなくしてしまう可能性がありますね。
もし、これを読んでくれているあなたが
独りで抱えたり、頑張りすぎる傾向があったり
がん告知を受けたばかりだったりしたら
ぜひ、ノートを広げ落ち着いて書き出してみてください。
治療や休養するために
・あなたが欲しいサポート
・誰に何をお願いしたいか
・必要なセーフティーネットは何か
言語化してみると
具体的に色々出てくるものです。
そして
そのサポートが受けられるよう
周りの人に相談してみてください。
『Ask for what you want and be prepared to get it.』
– Maya Angelou
欲しいものがあれば、それをお願いし、受け取る準備をしましょう。
2人に1人が癌になる時代
普段は耳に入らなくても、自分が癌になったと伝えたら
「実は私の家族も。。。」なんていう方も結構いらっしゃって
有益な情報や必要なサポートを差し伸べてくれる場合もあります。
元気になったら
また次の人に恩送りしていけば良いんですもん。
独りで頑張るより
心をオープンにして共生できる自分でありたいなと思って
日々過ごしています。
後日談:
前述の枕セットは、なんとオーストラリアで最大の富豪と言われるジーナ・ラインハートさんが設立した
乳がんサポートの財団からの贈り物でした。枕一つでも数百ドル、夢の寝心地♡
そんなパワフルな女性からの枕で療養できるなんて、幸先いい!と
単純な私は喜んでいます。😂