甘くて可愛いチョコレートは私たちの愛情を満たすものとして、世界中の多くの女性を虜にしてきました。
元気が欲しい時、少し心が寂しい時、愛する人と時間を楽しむアイテムとして、チョコレートは私達の感情とつよく結びついた Emotional Food だと言われています。
科学的にも、カカオは幸福感をもたらす神経伝達物質「アナンダミド」を含有する唯一の食材。また、人を夢中にさせる愛の媚薬ともいわれ、占星術では金星を満たす食べ物。
そんなチョコレートの原材料「カカオ」が、今オーストラリアをはじめ欧米のYogiやShamanicな人々、マインドフルネスな人たちに再注目されています。
カカオのルーツ
生カカオは古代マヤ文明から、シャーマン達によって、ハートを開く効能がある薬用食材として神聖な儀式に用いられてきました。 歴史上最も古いヒーリングは、シャーマニックな儀式によってもたらされていたと言われていますが、そのヒーリングをもたらす儀式の一つに「カカオ」を使ったものがありました。
カカオは、大地のエネルギーをたっぷりと含んだ食べ物で、古代マヤ文明のあった中央アメリカの原住民たちは、カカオに四大元素「地・風・水・火」のスピリット(精霊)が宿っていると信じられています。 神の食べ物であるカカオを取ることで、エネルギーバンランスが整い、健康になれると信じられてきました。
ハートが開くと、あなた自身の奥にある囁きのような小さな声が聞き取れるようになり、それが不要なブロックやトラウマ、価値観を手放す助けとなります。
本当の自分に繋がり、自分らしさやビジョンが鮮明になるなど、さまざまな内側の変化をもたらしてくれる、まさに神の力が入る食べ物。
また当時は非常に貴重で効果なものとして、食用だけでなく貨幣としても使われてたようです。
カカオの学名「Theobroma」は「神 (theos) の食べ物 (broma) 」を意味します。 不安や恐れを解放し、自分の本質とつながる時間。音楽や瞑想、インナーワークを用いて、自分自身の深い部分に繋がることをサポートしてくれます。
その後16世紀ごろ大航海時代に、メキシコのアステカからヨーロッパに持ち帰られ、砂糖やハーブ・スパイスを混ぜたチョコレートが上流階級で人気となりました。私たちが今食べているチョコレートの始まりですね。
歴史と共に変化したカカオの食べ方。今日ご紹介するカカオセレモニーは、カカオのツール、マヤ文明の頃に行われていた神聖な儀式を取り入れたものです。
トレンドのカカオセレモニーとは
ヨギーやスピリチュアルワークをする人達が、仲間との集まりとして、またワークショップとして、カカオセレモニーを現代に再び持ち込み、じわじわとブームが広がってきています。 参加者で円を描くように座り、丁寧に準備された溶かしたカカオドリンクを振る舞います。
マヤの人達は、火を焚き、それを中心に円を作って儀式を行っていましたが、現代のカカオセレモニーでは、キャンドルを灯し、タロットカードをひいたり、新月や満月といった星の話しをしたりしながら、お互いの言葉をシェアし、温かな繋がりを感じる場となっています。
また本格的なものであれば、クリスタルや花を飾ったり、香を焚いたり、自然のエネルギーを繋がれるような、神聖な雰囲気作りをして、その儀式全体を盛り上げます。
「現代の女神たちの集会」といった神秘的な様子に興味がそそられ、これからもっと広がっていくのではないでしょうか。 私が暮らす西オーストラリア州は、現在コロナに対する規制がかなり少ないので、カカオセレモニーのような集まりも可能ですが、世界的にみても今は自宅で楽しむために取り入れている人達も多くなっています。
友人と二人で、カップルで、またはひとりを楽しむ時間として、家庭で簡単にカカオセレモニーができるカカオや、気分を盛り上げるためのセージのスマッジとセットになったものなどが、オンラインできるに手に入るようになりました。 新月や満月に、ゆったりカードからメッセージをもらいながら、親しい友人と時間をすごすカカオセレモニー。ぜひ試してみてください。
カカオセレモニーの開き方
【スペースを作る】
まずはセレモニーを開くための場所を決めましょう。
自宅のリビングや庭、小さなレンタルスペース、自然の中でも良いでしょう。
浄化作用のあるお香やスマッジ、シンギングボールなどの音で、まずはその場のエネルギーをクリアに。集まりの雰囲気にあったラグ、クッション、キャンドルやお香を準備。お花やクリスタルを持ち込んでも良いでしょう。あらかじめ、オラクルカードを伏せて人数分置いておき、その前に座った方へのメッセージにしても良いですね。
【カカオドリンクを準備する】
可能であれば、オーガニックのローカカオを手に入れてください。
カカオの効果を最大限にしたい場合、一人につき約50グラム程度の使用がおすすめ。目安としては、一人当たり、水約2/3カップ、カカオ55グラムを火にかけて溶かします。
甘みが欲しい場合は、ハチミツやアガベシロップなどを加えても構いません。パンチが欲しい方は、チリやカイエンペッパーをほんのひとつまみいれてもいいですね。厳格なルールがあるわけではありませんので、気軽にカカオを楽しんでくださいね。
【味わう】
小さめの器に準備したカカオドリンクをサーブして、集まったみんなで大地に感謝しながら、静かにゆっくりといただきます。 飲み終わった後は、それぞれの感想をシェアしたり、オラクルカードのメッセージを読み合ったりしながら、温かい時間を過ごしてください。直感につながりやすい時でもありますので、その時感じたことをノートに記しておくのもおすすめです。
カカオセレモニーを初体験
私が初めてカカオセレモニーを目にしたのは、1年半ほど前です。
当時は「ココアを飲んだり、カカオを食べたりする」ことと「神聖な儀式」のイメージが繋がらずでした。
占星術を通して、食べ物と天体の関係への理解が深まる中で、最近カカオセレモニーへの興味が増していました。
今回、パース在住歴の長いYogi & Tarot leader の 友人から誘ってもらい、我が家で、フランキンセンスのお香を焚きながら、ゆったりリラックスした中、オーガニック・ローカカオを使ったカカオセレモニーを体験。
オーガニックのローカカオの塊にナイフを入れ、不純物が一切含まれていないカカオのサクサクと、どっしりしながらも軽やかな音。古代文明があった土地を想像させる、リッチな栄養分を含みながら渇いた土のような感覚。細かく削り、ゆっくりと火を入れて溶けたカカオを、一口ずつゆっくりと味わいます。 柔らかなトロッとしたカカオが喉を通り、胸いっぱいにジンワリと温かなエネルギーが広がります。
自然と涙が出てくるような、大地に守られている安心感で、温かな内側の炎が活性化し、異空間にトランスポートしたような気分でした。 最初は、カカオを溶かしただけリッチなものを一口味わい、2杯目はカカオと相性の良いココナツミルクで溶かしカカオドリンクとして楽しみました。
友人とカカオを味わって感じたこと、今読んでいる本の話し、日々想っていることなど、少し深い話しをし、耳を傾け、エネルギーを交換し合う、そんな満たされた時間になりました。
どんな人と集うか、というもの大切な要素ですね。
忙しい毎日を送っていると、身体と魂がズレていたとしても、なかなか気付けないものです。
カカオセレモニーのような「一杯の飲み物」に時間と手間をかけることで、自分自身にスペースを作ることができますし、古代シャーマンたちが使った神の食べ物で、自分自身にヒーリングをもたらす作用もあります。
私はちょうど同じタイミングで、自分の内側を掘り起こすインナージャーニーをしていたこともあり、古い価値観を手放し、ハートが開くような経験ができたこと、自然のエネルギーをたっぷり感じられたことは、きっとカカオのサポートがあったのではと感じています。 気持ちを落ち着けたい時や、エネルギーが滞ってると感じた時など、生活にカカオセレモニーの時間を取り入れていきたいです。
日本の「茶道」に通じるもの
昨今、世界中で古い文化や芸術、生活スタイルが、トレンドとして再注目される流れがあります。
今私たちを取り巻く社会事象によって、自然回帰やローカル回帰といった動きが加速しているようにも感じられます。カカオセレモニーを体験してみて、日本の「茶道」が頭によぎりました。 茶道は、心を落ち着かせながらお茶を点てて、客人に振る舞う儀式。儀式の様式や、使う材料や道具は違っていても、精神は共通したものがあります。
同じ空間に、一杯の飲み物を味わうために集い、丁寧に準備されたものを振る舞い、香り、味、テクスチャを堪能し、時空を超えた歴史や文化、自然のエッセンスを感じ、同席する人たちへの思いやりをもつ、温かな席。
目の前にある『一杯の飲み物』を通して、どれだけイマジネーションを膨らませ受け取れるか、受け取ったものを、その場にいる相手に伝え、その後どう実生活に活かしていけるか。
スピリチュアルにおいても、このプラクティスの繰り返しだと感じています。宇宙のメッセージやエネルギーを受け取り、地上で体現していくことで、またそのエネルギーを宇宙に還す。受け取ったら返していく、この循環を意識すると、より大きな循環の流れを受け取れるようになります。
アストロマップで土地の文化・歴史を取り入れ恩恵を受ける。
占星術のチャートを世界地図上に映すアストロマップ。
ご縁のある土地や方角を紐解きます。
現在のように旅行が難しくても、その土地の文化を体験することで、恩恵を受けることが可能で、心を落ち着かせるため、または仕事で成功するために、どの国の文化を取り入れると良いかがわかります。
私の太陽は、アストロマップで中米・メキシコのあたりを通っています。 メキシコ文化に馴染みがなかったのですが、今回カカオセレモニーを通して、中米の古代文化に触れ、今後も生活に取り入れていきたいと思えたのは、大きな収穫でした。
21世紀のオーストラリアにいながら、古代マヤ文明の神聖な儀式を体験する。
カカオドリンクを飲み、胸いっぱいに広がったエネルギーを感じたことも、もしかすると当時の人も同じ気持ちだったのかも。と思うとロマンが広がります。 丁寧に準備しともに過ごしている人達の存在に感謝し、一杯の飲み物から、時空や場所を超えた文化や思想、偉大なる自然とのつながり。
そんな体験をしていくと、あなたのエネルギーフィールドも広がっていくでしょう。 良質なローカカオが手に入ったら、カカオセレモニーで、土地からの恩恵を受け、自然のエネルギーに守られているを感じ、じんわりと愛と感謝がハートを満たす。そんな体験をしてみてください。